专利摘要:
故障電流限流器(FCL)は、FCLのためのコアを集合的に定義する一連の高透磁率ポスト(1)を含む。DCコイル(2)は、高透磁率ポスト(1)の一部を飽和させる目的で、容器(3)の形態をとる筐体の外部で完全構造体を囲繞する。容器(3)は誘電体絶縁媒体(4)を収容する。AC電流を輸送するためのACコイル(5)は、絶縁巻型(6)に巻回され、対応する高透磁率コア中の各ACコイル(5)によって発生される磁界のセンスが逆となるように相互に電気接続される。誘電体媒体の耐誘電特性を向上させるため、位相間に絶縁バリア(7)がある。
公开号:JP2011510603A
申请号:JP2010542481
申请日:2009-04-03
公开日:2011-03-31
发明作者:ダーマン、フランシス、アンソニー
申请人:ゼナジー パワー ピーティーワイ リミテッド;
IPC主号:H02H9-02
专利说明:

[0001] 本発明は、故障電流限流器に関する。]
[0002] 本発明は、主として高電圧飽和コア故障電流限流器向けに開発され、当該用途に関連して説明される。但し、本発明は上記特定の利用分野に限定されず、低電圧、中電圧、高電圧及び超高電圧の故障電流限流器にも適する。]
背景技術

[0003] 飽和コア故障電流限流器(FCL)が知られている。超伝導故障電流限流器として以下が例示される。
・Darmannらの米国特許第7193825号
・Yuanらの米国特許第6809910号
・Boenigの米国特許第7193825号
・Walkerらの米国特許出願第2002/0018327号]
[0004] 上記記載された故障電流限流器は、乾式絶縁銅製コイル配置と共に使用されるものであり、実用面では、主絶縁媒体として空気を使用するDC飽和FCLのみに適する。すなわち、多相FCL中のAC位相コイル同士、AC位相コイルと鋼製コア、DCコイル、クライオスタット及び主構造との間の主たる静的絶縁媒体は、空気中における適切な距離によって提供される。このため、FCLは概ね「乾式」絶縁技術に制限される。通常、乾式技術とは、電気的に絶縁された銅製コイルを使用し、絶縁媒体の残部として一般的な静的空気や分離された固体絶縁バリア材を使用する変圧器構成技術を指す。一般的に、空気はFCLの高電圧側部品と接地部品との間の電気絶縁材の大半をなす。これらの接地部品は鋼製フレームワーク及びそのケースを含む。]
[0005] 乾式絶縁を利用する場合、FCLによるAC線間電圧の電圧範囲の低下が最大約39kVに制限される。乾式変圧器及びリアクタは、約39kVの電圧レベルまでのものしか市販されていない。このため、現在実証されているDC飽和FCL技術は高電圧バージョンへの拡張に適していない。乾式設計により、高電圧に対処する場合に絶縁媒体として空気を使用する実用的なサイズのコンパクト構造を設計することができなくなった。]
[0006] FCLの主新興市場のうちの1つは、高電圧(33kV〜166kV)及び超高電圧範囲(166kV〜750kV)への媒体である。これらの電圧範囲内で動作する場合、DC飽和FCLに関して現今において記載された技術や文献説明は実用に即していない。主な理由として、静電圧設計上の考慮、例えば高電圧銅製コイルとクライオスタット又は鋼製コア又はDCコイルとの間の空気絶縁媒体の絶縁破壊が挙げられる。多くの場合、高電圧(39kV以上)への媒体の高電圧位相コイルは以下のいずれかに浸漬される必要がある。
・絶縁性ガス(SF6、窒素など)
・真空(10−3ミリバールよりも良好なもの)
・合成シリコーンオイル、植物油、あるいは媒体、高電圧及び超高電圧変圧器並びにリアクタに関する技術において使用される他の一般的に利用可能な絶縁油などの液体]
[0007] 高電圧デバイスがこのような絶縁媒体に浸漬される場合、当該媒体は「バルク絶縁媒体」又は「誘電体」と呼ばれることが多い。]
[0008] 一般的に、誘電体は、比誘電率1を有する真空を除き、約2〜4のオーダーの比誘電率を有する。これらのいわゆる誘電体絶縁媒体は、特定の液体誘電体又は気体誘電体の絶縁破壊特性に対し、固体絶縁バリア間の最大距離を制限すること、及び充填される誘電体距離を最適化することにより慎重に利用されれば、大気のそれよりはるかに優れた静電気絶縁破壊強度特性を有する。]
[0009] 一般的に利用可能なバルク絶縁性気体及び液体は、一般的に10〜20kV/mmのオーダーの絶縁破壊強度を有するが、通常は平均電界ストレスが約6〜10kV/mmを超えないように使用される。平均静電場ストレスが6〜10kV/mmであっても、任意の平衡電場線に沿ったピーク静電場ストレスが各種静電場増進効果により平均の2〜3倍となることもあるため、絶縁破壊ストレス値に対するこの安全域は必要である。]
[0010] 一般的に、変圧器やリアクタ、故障電流限流器など、収容されたプラントにおける高電圧バルク絶縁要件について誘電性液体又は気体の5つの主たる望ましい要件がある。
・誘電体は著しい高抵抗率を示さねばならない
・誘電損失は著しく低くなければならない
・液体は、固体絶縁性(例えばコイル巻線又はエポキシ上のターン間絶縁)を低下させることなく固体絶縁体を収容可能でなければならない
・電気絶縁破壊強度は高くなければならない
・媒体は熱エネルギー損失を除去可能でなければならない]
[0011] 固体絶縁技術は、変圧器やリアクタ、故障電流限流器などの、収容されたデバイス用の高電圧(すなわち39kVを超える動作電圧)への媒体では一般的には未だ利用可能ではない。固体絶縁技術の欠点は、固体絶縁の大部分における、あるいはコイル絶縁と他の固体絶縁材の間など異種材料表面間における、不可避な空隙の存在にある。電場増強効果により、高電圧の固体絶縁において空隙が空隙内に高い電気的ストレスを生ずることはよく知られている。このため、部分放電により周囲材料の物理的絶縁破壊を引き起こし、最終的にトラッキング及び完全装置故障を生じることがある。]
[0012] 銅製AC位相コイルが「乾式」構造でなくなった場合、あるいは完全装置の主絶縁媒体が空気である場合、前述の従来技術中に開示されたものなど、鋼製コアを飽和させるために1つ又は多数のDCコイルを使用するDC飽和故障電流限流器が、根本問題を生じることが認識されよう。このような構成における深刻な問題として、DCHTSコイルを冷却するための鋼製クライオスタット及びDC HTSコイル自体の存在が挙げられる。クライオスタット、コイル及び鋼製コアは、AC位相コイルに対し実質上接地電位にある。]
[0013] 副次的問題ではあるが、あらゆる高電圧プラント及び設備の絶縁要件を強化する問題として、基礎絶縁設計は一定の電気工学基準を満たさなければならない。これらの基準は所定期間にわたる各種過電圧及び雷インパルスに対する耐性試験に供するものである。例えばオーストラリアにおいて、上記基準として以下が挙げられる。
・AS2374パート3 完全変圧器の電力周波数(PF)及び雷インパルス(LI)試験を含む、絶縁レベル及び誘電試験
・AS2374 パート3.1 絶縁レベル及び誘電試験・空気中の外部クリアランス
・AS2374 パート5 耐短絡性]
[0014] これらの基準は、高電圧電気設備が満たすべき基準の網羅的なリストではない。
各国がこれらの同一の設計面積をカバーする独自の規準を持ち、個々の国の基準に言及することで必ずしも他の国の規準を除外することではないことが認識される。デバイスは多数の国々の基準を満たすべく構成されることが理想的である。]
[0015] これらの規準を順守することで、又は通常は基本的なAC線間電圧の倍数である、デバイスに関するBIL(基礎絶縁レベル)「DIL」(設計絶縁レベル)が生み出された。例えば、66kVの中電圧変圧器、あるいはFCLなど他の収容されたデバイスは220kVのBILを有していてもよい。この基準を満たす要件は、結果として、AC線間電圧のみの考察からよりも精力的に要件を満たそうとする静電圧設計を生じる。適用可能な規準及びこの要件は、実際的な電気設備は、プラント及びデバイスが例えば雷過電圧や切換サージなどの複雑なネットワーク内で経験しうる一時的な過電圧を経験するという事実から生じた。従って、電気ネットワーク上の全ての設備は、予期される最悪の場合の過渡電圧について適切なBIL又はDILを有する。]
[0016] 高電圧DC飽和故障電流限流器に関する静的設計問題を最初に考慮することにより、高電圧AC銅製コイルのみを適切な電気絶縁気体又は液体中に収容することで当該問題が容易に解決されるという結論に至る場合もある。しかし、この技術に関する問題は、気体又は液体を保持する容器に鋼製コアを通過させねばならない点にある。長期使用のためのこのインタフェース設計は機械的解決が困難である。しかし、より重要なことには、インタフェース問題を静電気学の観点から解決することははるかに複雑であり、いかなる解決法も失敗しがちであり、あるいは非経済的であることが分かっている。問題は、誘電性流体を収容している容器と高透磁率コアとの間にシールを設けなければならいこと、あるいは、HTSクライオスタットを液体から分離する方法にある。]
[0017] 他の可能性として、位相間、位相と鋼製コア及びクライオスタットの間に固体の高電圧バリアを使用すること、及び銅製位相コイルの周囲に、位相コイルと密着する高電圧絶縁層を使用することが挙げられる。しかし、これには著しく有害な副作用がある。より高い比誘電率を有する空気及び他の材料の組合せにおける静的電場は、常により低い誘電率を有する材料又は液体(すなわち空気)において強化電場を生じることが知られている。例えば、式1に従い、ターン間絶縁を表すべく通常の絶縁層を有する伝導性銅製シリンダを考慮する。





ここで、
・Um=対接地AC相電圧
・R=外部絶縁体を含む銅製シリンダ半径[mm]
・r=はだか銅製シリンダ半径[mm]
・d=シリンダ中心から直近接地面までの距離[mm]
・ε2=シリンダをカバーする絶縁体の比誘電率
・ε1=シリンダが浸漬されるバルク絶縁の比誘電率(空気では1)
・x=シリンダ中心からシリンダ外部の点までの距離[mm]
・Ex=点xにおける静電場勾配[kV/mm]]
[0018] 電場増強効果は係数ε2/ε1で表され、比誘電率1を有する真空を使用する場合を除き一般的な日常材料に関しては2〜4のオーダーである。追加の固体又は他の絶縁材(空気より高い誘電率を有する)を提供することで、FCLのバルク空気絶縁における静電ストレスが増大する。高電圧絶縁品質が高ければ高いほど、電場増強効果は高い。]
[0019] 従って、他の方法にて空気絶縁されたFCL中の固体誘電体絶縁バリアは、39kV以上の高電圧FCLに関しては技術的に望ましいオプションではなく、実際にこの技術が例えば39kV以上の高電圧乾式変圧器を作製する際に使用されたためしはない。実際、高度に適切な技術は発見されておらず、このため39kV以上の高電圧変圧器は誘電性液体又は気体により絶縁されている。]
[0020] 上記議論は、収容された高電圧電気設備が電気的絶縁誘電体液体又は気体に完全に浸漬される所以である。すなわち、変圧器及びリアクタの絶縁された銅製コイル及び鋼製コアは容器に収容され、この容器に液体である誘電体媒体が完全に充填される。これにより、上記議論で詳述された静電気電圧設計問題が概ね緩和される。絶縁媒体(例えばオイル、真空又はSF6)は全ての空隙に充填され、高電圧部品と、実質上接地又は中性点電位にある部品との間のバルク距離に充填される。この場合、固体絶縁バリアはバルク絶縁誘電体に組み込まれてもよく、また、オイルなどの多くの液体については、長い距離を固体絶縁で分割することで、誘電性流体の絶縁破壊電界強度が高まり、全般的な静電気絶縁品質が向上する。これは、オイルと固体絶縁の比誘電率が相互に著しく近似しており(従って、電場増強効果は空気と比べて減少する)、バルク誘電体媒体(kV/mmで表される)の絶縁破壊電圧が絶縁バリア間の距離が小さいため改善するためである。]
[0021] 完全浸漬技術に関する主要な問題として、DC飽和FCL設計又は超伝導体コイルをDC飽和要素として組み込んだ他のデバイスに容易に適応可能でない点が挙げられる。これは、超伝導コイル及びそのクライオスタット又は真空容器が誘電性流体に必ず浸漬する必要のあるFCL部品であるためである。]
[0022] 確立された文献には、市場性を有し、実行可能であり、且つ製造可能なFCLの4つの主な基準が明示されている。
・故障の非発生時及びピーク電力潮流の供給時にネットワーク上で可視化しないよう、挿入インピーダンスが低い
・0.5%を超える、又はエンドユーザの要望に応じた、高調波に値するTHD(全高調波ひずみ)を生じない
・20〜80%の故障電流の適切なクリップを提供する
・設計は、高AC電圧(6kV以上)及び高AC電流(0.6kA以上)用に拡張可能である]
[0023] 従来技術において詳述された旧来の可飽和コアFCL設計は、高電圧設計及び高AC電流設計に適していないという主要な欠点を有している。これらの欠点はいずれも冷却材(空気以外)及び/又は液体又は気体誘電体の不足に起因する。]
[0024] 旧来の可飽和FCL設計において液体又は気体誘電体を使用した場合でも、クライオクーラー、クライオスタット及びクライオスタット取付器具へのアクセスを可能とすべく著しい拡張が更に必要である。更に、クライオスタットフィードスルー(電力、電気信号)を誘電体から分離する特殊なシールを作製し試験する必要がある。]
[0025] 高AC電流設計では、空気冷却設計のみを考慮する場合、必要な電流を導電するのに必要とされる銅断面積ははるかに大きい。この断面積は最大5倍以上となることも珍しくない。このため、ACコイル寸法が大きくなりすぎて最小のコアフレームヨークサイズへ収容できなくなり、静電気クリアランスを保持するためにより大きなヨークが必要となる。これにより、旧来の空気冷却/空気絶縁型可飽和FCLの設置面積及び質量が増大する。]
[0026] 明細書全体にわたる従来技術のあらゆる議論は、このような従来技術が広く知られており当該分野における一般的な知識の一部をなすことを承認するものではない。]
先行技術

[0027] 米国特許第7193825号
米国特許第6809910号
米国特許出願公開2002/0018327号]
発明が解決しようとする課題

[0028] 本発明の好ましい実施形態の目的は、前述の欠点の1つ以上を改善し、あるいは有用な代替物を提供することにある。]
[0029] 本発明の好ましい実施形態の別の目的は、ACコイル及びDCコイルの従来の相対的位置をFCLを用いて反転することにより、前述の欠点の1つ以上を克服することにある。これらの実施形態は、完全構造体の誘電体への浸漬を可能とする。]
課題を解決するための手段

[0030] 本発明の第一の態様によれば、電気回路に組み込まれる故障電流限流器であって、前記故障電流限流器は磁気飽和可能なコアと、前記可飽和コアの一部に巻回された少なくとも1つのAC位相コイルと、を含み、前記磁気飽和可能なコア及び前記少なくとも1つのAC位相コイルは筐体内に収容され、DCバイアスコイルが前記筐体の外側に前記筐体を囲繞して配置され、前記DCバイアスコイルは、前記電流限流器の非故障動作状態においては、低定常状態非故障挿入インピーダンスのために前記コアをバイアスして磁気飽和とし、故障状態においては、前記コアを磁気飽和から取り出し、それにより前記電気回路に増大した電流限流インピーダンスを提供する、故障電流限流器が提供される。]
[0031] 一実施形態において、高透磁率コアは変圧器鋼製積層材料、軟鋼、又は他の形態の磁性鋼、フェライト材料又は強磁性体のうち1種以上から選択される。]
[0032] 一実施形態において、コアがコアポストの矩形アレイの形態をとり、AC位相コイルがコアポストの各々に巻回されると共にACコイルによって発生される磁界のセンスが逆になるように相互に電気接続される。]
[0033] 一実施形態において、故障電流限流器は、誘電体絶縁媒体と前記ACコイルのための冷媒とを収容している、ACコイルを囲繞する容器を含む。]
[0034] 一実施形態において、DCコイルは超伝導体であり、より好ましくは、クライオスタットに収容され、クライオクーラーによって冷却される高温超伝導体である。]
[0035] 一実施形態において、DCバイアスコイルがAC位相コイルと一致し且つ同軸であり、従って可飽和コアの前記一部は完全に飽和する。]
[0036] 一実施形態において、磁気飽和可能なコア及びACコイルは、固体、液体又は気体の形態をとると共に、真空を含む任意の雰囲気において空気を含む誘電体に浸漬される。]
[0037] 一実施形態において、コアポストは矩形断面を有し、長さに沿って一定断面を有する。]
[0038] 一実施形態において、磁気飽和可能なコアは、変圧器鋼製積層材料、軟鋼又は他の磁性鋼、フェライト材料、絶縁された高透磁率圧縮粉末又は強磁性体から構成される。]
[0039] 一実施形態において、コアポストがその端部に向かってテーパ状に形成され、これにより限流器の非故障動作時において略全ての前記コアが飽和する。]
[0040] 本発明の第二の態様によれば、負荷電流を提供する電源に電気接続するための入力端子と、負荷電流を引き出す負荷回路に電気接続するための出力端子と、磁気飽和可能なコアと、前記入力端子と前記出力端子の間で負荷電流を輸送するために前記コアの長尺部に巻回されたACコイルと、少なくとも前記コアの前記一部において磁界を発生させ、前記コアと前記ACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出する少なくとも1つのDCコイルと、を含み、前記磁界は、前記ACコイルが前記負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するように前記コアを磁気的にバイアスする、故障電流限流器が提供される。]
[0041] 一実施形態において、低インピーダンス状態において、上記一部は磁気飽和する。]
[0042] 一実施形態において、低インピーダンス状態において、コアは長手方向に沿って上記一部を越えて磁気飽和する。]
[0043] 一実施形態において、高インピーダンス状態において、上記一部は磁気飽和していない。]
[0044] 一実施形態において、低インピーダンス状態において、ACコイルのインピーダンスは、ACコイルの理論空気コアインピーダンスと略等しい。]
[0045] 一実施形態において、1つ以上の特性のうちの1つは、所定の電流値を越えた負荷電流の増大である。]
[0046] 一実施形態において、コアは複数のポストを含み、長尺部はポスト間でセグメント化され、ACコイルは、それぞれのポストに巻回される複数のコイルセグメントを含む。]
[0047] 一実施形態において、ポストは相互に平行である。]
[0048] 一実施形態において、ポストは長手方向に延出する。]
[0049] 一実施形態において、各ポストは略一様の横断面を有する。]
[0050] 一実施形態において、ポストは略同様の横断面を有する。]
[0051] 一実施形態において、ポストの横断面は少なくとも1つの対称軸を有する。]
[0052] 一実施形態において、ポストの横断面は対称である。]
[0053] 一実施形態において、ポストは中間区域内に略同一の広がりを有する。]
[0054] 一実施形態において、ポストは相互に離間される。]
[0055] 一実施形態において、ポストはDCコイルを越えて長手方向に延出する。]
[0056] 一実施形態において、コイルセグメントは中間区域において長手方向に略同一の広がりを有する。]
[0057] 一実施形態において、ACコイルはDCコイルを越えて長手方向に延出する。]
[0058] 一実施形態において、各ポストはそれぞれのACコイルを越えて長手方向に延出する。]
[0059] 一実施形態において、負荷電流は3つの位相を含み、故障電流限流器はそれぞれの位相用に3対の入力端子及び出力端子を含む。]
[0060] 一実施形態において、故障電流限流器は3対に配置された6つのポストを含み、各ポスト対は負荷電流の対応する位相を輸送するためのそれぞれの対の入出力端子と関連付けられる。]
[0061] 一実施形態において、各ポスト対におけるポストは相互にヨーク結合される。]
[0062] 一実施形態において、各ポストは長手方向端部を含み、各ポストの少なくとも一端は同一対の中の別のポストの隣接端部にヨーク結合される。]
[0063] 一実施形態において、各ポストの両端部は、同一対の中の別のポストのそれぞれの隣接端部にヨーク結合される。]
[0064] 一実施形態において、ポストは高透磁率材料によって磁気的及び物理的にヨーク結合される。]
[0065] 一実施形態において、各対のポストは相互に隣接し、また離間された対向面を含む。]
[0066] 一実施形態において、対向面は略平面である。]
[0067] 一実施形態において、対向面は略平行である。]
[0068] 一実施形態において、対向面は略同一空間に広がる。]
[0069] 一実施形態において、故障電流限流器は中間区域を定義するための筐体を含む。]
[0070] 一実施形態において、筐体は誘電体材料を含む。]
[0071] 一実施形態において、ACコイルは誘電体内に受け取られる。]
[0072] 一実施形態において、DCコイルは各々高伝導性材料を含む。]
[0073] 一実施形態において、高伝導性材料は、銅、アルミニウム、高温超伝導材料及び低温超伝導材料から選択される。]
[0074] 本発明の第三の態様によれば、負荷電流を提供する電源に電気接続するための入力端子を提供し、負荷電流を引き出す負荷回路に電気接続するための出力端子を提供し、磁気飽和可能なコアを提供し、入力端子と出力端子の間で負荷電流を輸送するためにコアの長尺部にACコイルを巻回し、少なくとも1つのDCコイルによりコアの少なくとも一部において磁界を発生させる、各ステップを含み、DCコイルが、コアとACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出し、磁界は、ACコイルが負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するようにコアを磁気的にバイアスする、電流の限流方法が提供される。]
[0075] 本発明の第四の態様によれば、負荷電流を提供する電源に電気接続するための入力端子と、負荷電流を引き出す負荷回路に電気接続するための出力端子と、磁気飽和可能なコアと、入力端子と出力端子の間で負荷電流を輸送するためにコアの長尺部に巻回されたACコイルと、ACコイルと共にオープンコア配置され、少なくともコアの一部において磁界を発生させ、コアとACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出する、少なくとも1つのDCコイルと、を含み、磁界は、ACコイルが負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するようにコアを磁気的にバイアスする、故障電流限流器が提供される。]
[0076] 本発明の第五の態様によれば、負荷電流を提供するために電源を入力端子に電気接続し、負荷電流を引き出すために負荷回路を出力端子に電気接続し、磁気飽和可能なコアを提供し、入力端子と出力端子との間で負荷電流の輸送するためにコアの長尺部に巻回されたACコイルを提供し、ACコイルと共にオープンコア配置され、少なくともコアの一部において磁界を発生させ、コアとACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出する、少なくとも1つのDCコイルを提供する、各ステップを含み、磁界は、ACコイルが負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するようにコアを磁気的にバイアスする、故障電流限流器を利用して電流を限流する方法が提供される。]
[0077] 本発明の第六の態様によれば、三相負荷電流を提供する三相電源のそれぞれの位相に電気接続するための3つの入力端子と、負荷電流を引き出す負荷回路のそれぞれの位相で電気接続するための3つの出力端子と、各々が長尺部を有する3対のポストを有する磁気飽和可能なコアと、入力端子と出力端子の間で負荷電流を輸送するためにそれぞれポスト対の一部に巻回された3つのACコイルと、少なくとも上記一部において磁界を発生させ、ポスト及びACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出する、少なくとも1つのDCコイルと、を含み、磁界は、ACコイルが負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するようにコアを磁気的にバイアスする、故障電流限流器が提供される。]
[0078] 一実施形態において、各ACコイルは、ポスト対におけるポストの各部分に各々巻回される2つのコイルセグメントを含む。]
[0079] 本発明の第七の態様によれば、三相電源のそれぞれの位相に三相負荷電流を提供するための3つの入力端子を電気接続し、負荷電流を引き出すために負荷回路のそれぞれの位相に3つの出力端子を電気接続し、各々が長尺部を有する3対のポストを有する磁気飽和可能なコアを提供し、入力端子と出力端子の間で負荷電流を輸送するためにそれぞれポスト対の一部に巻回された3つのACコイルを提供し、少なくとも上記一部において磁界を発生させ、ポスト及びACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出する、少なくとも1つのDCコイルを提供し、磁界は、ACコイルが負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するようにコアを磁気的にバイアスする、故障電流限流器を利用して電流を限流する方法が提供される。]
[0080] 本発明の第八の態様によれば、故障電流限流器用のコアが提供される。上記コアは少なくとも1つの長手方向に延出するポストを含む。ポストは、磁気飽和可能であると共に、使用時には、DCコイル内に受け取られるACコイルのそれぞれのコイルセグメント内に受け取られる少なくとも2つの部分を有する。]
[0081] 一実施形態において、上記部分は離間される。]
[0082] 一実施形態において、コアは各部分を有する2つの同様の平行ポストを含む。]
[0083] 一実施形態において、ポストはヨーク結合される。]
[0084] 一実施形態において、ポストは相互にヨーク結合される。]
[0085] 一実施形態において、各ポストは第一端と第二端の間に延出し、ポストのうちの1つの第一端及び第二端は、別のポストの第一端及び第二とそれぞれ隣接している。]
[0086] 一実施形態において、コアはポストを相互にヨーク結合するために第一端間に延出するためのヨークを含む。]
[0087] 一実施形態において、コアはポストを相互にヨーク結合するために第二端間に延出するためのヨークを含む。]
[0088] 一実施形態において、ポストはポスト薄層を含む。]
[0089] 一実施形態において、ヨークはヨーク薄層を含む。]
[0090] 一実施形態において、ポスト薄層とヨーク薄層とは交互に配置される。]
[0091] 一実施形態において、コアは3対に配置された6つの長手方向に延出するポストを含む。]
[0092] 本発明の第九の態様によれば、本発明の第八の態様のコアを含む故障電流限流器が提供される。]
[0093] 本発明の第十の態様によれば、本発明の第一、第二、第四、第六及び第九の態様のうちの少なくとも1つの故障電流限流器を含む配電システムが提供される。]
[0094] 本明細書を通じて「一実施形態(one embodiment)」、「諸実施形態(some embodiments)」又は「ある実施形態(an embodiment)」を参照するが、この参照は当該実施形態に関して記載された特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて随所に「一実施形態において」、「諸実施形態において」又は「ある実施形態において」というフレーズが出現するが、これらは必ずしも同一の実施形態を指しているとは限らず、同一の実施形態を指している場合もある。更に、本開示から当業者に明白であるように、特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。]
[0095] 別段の定めがない限り、本明細書中で共通の目的物を指示すべく使用される序数詞「第一の」、「第二の」、「第三の」などの使用は、同様の目的物の別の例に言及していることを単に示しており、説明された目的物が時間的、空間的、序列あるいはその他の方法にて所与の順序をなさねばならぬ旨を暗示することを意図していない。
本発明の目下好ましい実施形態を、以下の添付図を参照しながら説明する。]
図面の簡単な説明

[0096] 実験的FCLコア構造の概略図である。
図1の構造のFEA解析結果を示す図である。
ACコイルとDCコイルとが重畳され且つ同軸とされた、すなわち2つのコイルがクローズドコアの同一リム上に巻回された、FCLのクローズドコア構造を示す図である。
挿入インピーダンスの特性の調査を可能とすべく関連付けられた探りコイルを有する実験的クローズドコア構造を示す図である。
図4の構造を用いて実施された実験結果を示す図である。
上記実験的構造に関する測定された挿入インピーダンス結果を要約する図である。
前記発明による三相オープンコア故障電流限流器の概略断面図である。
図7の故障電流限流器中に示されるコアポストのうちの2つの上の巻線の電気相互接続の概略図である。
図7のZ方向におけるコアの長さに沿った磁界と相対透磁率のFEA解析結果を示す図である。
コアの中心であり、且つ3つのコアポストと図7のX方向に交差する線に沿った磁界のプロットを示す図である。
図7の1つのコアポストの中心における磁界のプロットをDC電流通電と共に示す図である。
2つの別の方法にて飽和された動作点に関するDCマイナーエクスカーションと共に示す、図7のコアのDC磁化プロットを示す図である。
巻数50のACコイルにおける1,000アンペア時の、DCコイル通電に対する図7のコアポストの中間における相対透磁率のプロットを示す図である。
各々により発生される磁束が対向するように、ACコイル上の全AC電流と共に、図7のコアのDC磁化のプロットをDCアンペア巻数の関数として示す図である。
同一の巻回相互接続を示し、2つのコア間のボトムヨークが保持される、本発明の代替形態を示す図である。
鋼製コアを3列、2段とし、図8に詳述された電気相互接続に従って各位相上に相互電気接続を有する三相オープンコアFCL設計の配置を示す図である。
鋼製コアを2列、3段とし、図8に詳述された電気相互接続に従って各位相上に相互電気接続を有する三相オープンコアFCL設計の別の配置を示す図である。
図8に詳述された電気相互接続に従って各位相上に相互電気接続を有する三相オープンコアFCLの、ヨーク付き代替案を示す図である。
磁束密度及びAC定常状態の非故障挿入インピーダンス測定および故障電流制限特性評価のために使用される、図8に詳述された電気相互接続に従って各位相上に相互電気接続を有する実験的配置を示す;
オープンコアFCL実験的配置用の測定された非故障挿入インピーダンス特性を示す図である。
は異なるAC電圧及び電流における非故障定常状態挿入インピーダンス特性を示す図である。
DCバイアスの関数としてのオープンコアFCLの故障電流特性プロットを示す図である。
オープンコア実験的配置の磁束密度過渡特性プロットを示す図である。
コアがACコイルの影響領域を越えた程度まで飽和し、故障の存在がt=0.08秒から始まる矢印間の電圧のわずかな低下として検出される場合の、DC回路過渡電圧のプロットを示す図である。
回路においてオープンコアFCLを有する、及び有さない実験的配置の過渡故障電流プロットを示す図である。
オープンコアFCL実験的配置のDC回路過渡電流特性を示す図である。
ヨーク付きFCLの磁束密度、AC非故障挿入インピーダンスおよび故障電流制限能力の測定および特性評価のための、図8に詳述された電気相互接続に従って各位相上に相互電気接続を有する、ACコイル及びDCコイルの実験的配置を示す図である。
同一寸法のリムを有するヨークなしオープンコアFCLについて測定された非故障定常状態挿入インピーダンスとの比較における、オープンコアヨーク付きFCL実験的配置の測定された非故障定常状態挿入インピーダンスを示す。
ヨーク付きオープンコア配置とヨークなしオープンコア配置との間における、測定された非故障挿入インピーダンス比較を、各種クローズドコア配置を各種と比較して示す図である。
同一寸法のリムを有するヨークなしオープンコアFCLについて測定された非故障定常状態挿入インピーダンスと比較された、オープンコアヨーク付きFCL実験的配置の測定された非故障定常状態挿入インピーダンス示す図である。
DCバイアスの関数としての、ヨーク付きオープンコアFCLに関する故障電流特性プロットを示す図である。
鋼製リムの周囲の、ヨーク付きオープンコアFCLのACコイルの頂部に位置する探りコイルから得られた、オープンコアFCL実験的配置の磁束密度プロットを示す図である。
ヨーク付きオープンコアFCL実験的配置のDC回路過渡電流特性を示す図である。
配電システムにおけるFCLの概略図である。
コアが相互の端部を合わせて積層される2つの鋼製ポストを含む単相オープンコアFCLの概略斜視図である。
図35のFCLの平面図である。
コアがプレスパワー(pressed power)の単一のポストを含む単相オープンコアFCLの概略斜視図である。
図37のFCLの平面図である。
略円形の設置面積を有し、コア内のポスト間にヨークを含む、FCLの更に別の実施形態の概略斜視図である。
図39のFCLの概略平面図である。
図39のFCLに類似する、ヨークなしのFCLの概略斜視図である。
図41のFCLの平面図である。
3×2の積層アレイにて配置された矩形断面ポストを有するコアを含むFCLの概略斜視図である。
3×2の並列アレイにて配置された矩形断面ポストを有するコアを含むFCLの概略斜視図である。
3×2の積層アレイにて配置されたヨーク結合された矩形断面ポストを有するコアを含むFCLの概略斜視図である。] 図1 図35 図37 図39 図4 図41 図7 図8
実施例

[0097] 多数の実施形態が以下に説明されるが、本発明の更なる実施形態は2009年3月16日に出願されたオーストラリア特許出願第2009901138号に開示され、本願は当該特許出願に対し優先権を主張する。これらの実施形態の詳細は相互参照によって本願明細書中に明示的に含まれるものとする。]
[0098] 図1〜図6を参照する以下の説明は、読み手に本発明の実施形態に関するコンテキストを提供することを目的としている。] 図1 図2 図3 図4 図5 図6
[0099] まず、好ましい実施形態の頻繁に使用されるパラメータ特徴には以下が含まれることを述べる。
・Acore:ACコイル下の高透磁率コア断面積
・Nac:AC巻線の巻数
・Ndc:DC巻線の巻数
・Idc:DCコイル電流[アンペア]
・lac:ACコイル電流[アンペア、rms]
・f:電気系統の周波数
・Zb:被保護電気系統のベースインピーダンス
・Z+:システムの正シーケンスインピーダンス
・Ifp:システムの予期される故障電流
・Ifr:所望の低減された故障電流]
[0100] 故障電流制限及び挿入インピーダンスは上記パラメータの関数である。]
[0101] FCLの分野において求められるような高透磁率構造の磁化においては、以下の2つの主たる効果により磁束損失を被りやすいことが当業者にはよく知られている。
・DCバイアスコイル周囲の磁界線のフリンジング及び純粋な空気経路を通じたリターニング
・磁束がコアに入るものの完全高透磁率経路ではなく空気経路を通ってリターンする部分的な空気/コア磁束リターン]
[0102] 例えば、図1に示されるコア構造についてFEA解析を実施した。
このコア構造に関連する特性を以下に示す。
・ウィンドウ寸法幅=290mm
・ウィンドウ寸法高さ=350mm
・材料:M6積層鋼製コア
・コアを構成すべく使用された薄層:0.35mmのステップラップコア構造
・コア断面積:150mm×150mm] 図1
[0103] 他の実験的詳細を図1に示し、より完全な結果を図2に示す。] 図1 図2
[0104] 遠隔リム及びヨークに磁束密度損失が発生したことが分かった。下記表1は最大磁束密度点における図1のコア構造の結果を要約する。] 図1
[0105] ここに記載された効果は、当業者にはよく知られている。ACコア側磁束密度が2.12テスラから1.95テスラへ減少することは、一見して欠点と思われないかもしれない。しかし、ACコイルにおけるマイナーループ測定により、問題が明らかとなる。DC側コイルマイナーループにより飽和コアについて予測されるように1.0近傍の平均相対透磁率が得られるが、同一レベルで測定されたDCコイル電流のマイナーループでは、相対透磁率が86となる。このことはデバイスについて高い挿入インピーダンスを生じ、また更にB・H曲線の旧来の平坦化が観察されるにも関わらず、AC側コアが完全には飽和されないことを明らかにする。]
[0106] 磁束密度損失を低減しコアのAC側を飽和状態に維持するためのアプローチとして、以下が挙げられる。
・フレーム全体にわたり、コア断面積を拡大すること
・一様でない鋼断面
・低プロフィルコア構造を得るため、ACコイル−DCコイル間の鋼の合計磁気長さを縮小すること]
[0107] しかしながら、これらのアプローチの代わりとして、図3に示されるような近位リムにACコイルを配置することは更に実際的である。] 図3
[0108] この技術を利用すれば、ACコイル直下のリムにおける磁束密度は、DCコイル直下のそれと略同一となる。]
[0109] 定常状態での動作中、ACコイルからの磁束は、影響下にある鋼製コアの部分における磁束密度が略不飽和化されず、あるいは略変更されないものでなければならない。これにより最小可能挿入インピーダンスよりも高くなり、定常状態の非故障AC波形中に高調波部分が生じる。]
[0110] 故障制限活動中、ACコイルから生成された磁束は鋼製コア中の磁束を無効化し、鋼製コアの一部を不飽和化し、ACコイルの終端インピーダンスを上昇させる。]
[0111] この特定の配置において、外側ヨーク及びリムの必要性がなくなり、中央リムのみが必要であることが更に認識されよう。]
[0112] ACコイルを収容しているリムの磁束密度損失に関連した問題は、挿入インピーダンスとして知られる、非故障状態のより高い定常状態のインピーダンスと更に関連付けられる。ACコイルと関連付けられた挿入インピーダンスは、磁束密度対起磁力(MMF)グラフの勾配に正比例する。ACコイル影響下のコア部分がこの傾斜が最小となる点へ完全飽和しない場合、挿入インピーダンスは高くなり実用的でない。]
[0113] 挿入インピーダンスの性質を示すため、DCコイルに対するコア上のACコイルの諸位置について挿入インピーダンスを測定すべく実験的配置を図4のように構成した。コア及びコイル構造は、下記表2及び表3に示される詳細にて構成された。] 図4
[0114] ここで図5を参照する。DC側の飽和確認は探りコイルとホールプローブを使用して行った。ホールプローブを使用することで、挿入インピーダンス測定時に使用されなかったコアに1.3mmの空隙を導入する必要がなくなった。] 図5
[0115] 挿入インピーダンスの測定のための実験的配置の他の詳細は、以下を含む。
・DC電流:100アンペアDC
・AC電圧:50V AC
・AC電圧及び電流の周波数:50Hz
・AC電流:28アンペア AC
・AC巻線の巻数:50
・ACコイル抵抗:0.10オーム]
[0116] 図6は測定された挿入インピーダンス結果を要約する。最小挿入インピーダンスは、一致するコイル配置、及びDCコイル上の、飽和に必要な最小数のアンペア巻数によって達成される。ACコイルがDCコイルと同一のリム上にあるもの、あるいはACコイルがDCコイルに隣接配置されるものを含む全ての他の配置では、より高い挿入インピーダンスが生じる。] 図6
[0117] アンペア巻数の関数として挿入インピーダンスを測定することにより、ACコイルの影響下の高透磁率コアは飽和状態になければならないだけでなく、理論上最小挿入インピーダンスを有すべく「超飽和状態されて」いなければならないことが確認された。]
[0118] 図34に示されるように、故障電流限流器(FCL)は配電変電所に設置される。FCLは、更に図示されている変圧器の故障電流を制限するために主として含まれている。変電所が1つ以上の変圧器を含む場合、各変圧器は個々のFCLを有することが可能である。但し、諸実施形態において、変電所内において、各自に関連付けられたFCLを有する変圧器数は全変圧器数よりも少ない。] 図34
[0119] 下流側において、FCLは変電所がその一部をなす配電システムに電気接続される。]
[0120] 他の実施形態では、変圧器とFCLは変電所以外の設備に配置される。表示例は共同発電機と残りの配電網(グリッド)との間の、工業地帯における配電網(ネットワーク)を含む。また、風力発電プラント、造波機、水力発電所又は太陽エネルギープラントにおける故障電流の影響から主配電網を保護することを含む。]
[0121] 図34の実施形態では、発電所は石炭火力発電所である。但し、他の実施形態では、発電所は水力発電所、原子力発電所及び風力発電所のうち1つ以上である。] 図34
[0122] 図7を参照すると、本発明の実施形態に従った三相オープンコアFCL配置での一連の高透磁率ポスト1が図示されている。Z方向は、図示における高透磁率コアの長手方向に沿った方向として定義される。ポストは変圧器薄層から作製され、薄層はZ軸に沿ってローリングされている。] 図7
[0123] ポスト1が集合的にFCL用コアを定義することは認識されよう。]
[0124] 高透磁率ポスト1は変圧器鋼製積層材料からなる。他の実施形態では、軟鋼あるいは他の形態の磁性鋼フェライト材料又は強磁性体、の1つ以上または強化強磁性粉末からなるコアなどの粒状物質、あるいはガラス質アモルファスコアのうち1種以上が使用される。]
[0125] DCコイル2は、高透磁率ポスト1の一部を飽和させるべく筐体の外部にて完全構造体を囲繞する。「囲繞(surround)」などの用語は、コイル2がいかにして筐体又はタンクを包囲するかを記載するために使用される。すなわち、DCコイルは、コア及びACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出する。図示された実施形態では、コア及び1つ以上のACコイルはタンク又は他の筐体内に配置される。また、DCコイルは筐体を包囲する。このことは、好ましい実施形態の多数のパッケージング及び性能上の利点を提供する。後述するように、実施形態の中間区域はそれぞれのタンクによって定義される。]
[0126] 容器3は誘電体絶縁媒体4を収容している。この媒体はACコイル用冷媒でもあり、周囲空気であってもよい。]
[0127] 絶縁巻型6上に巻回されると共に、対応する高透磁率コア中の各ACコイルにより発生される磁界のセンスが逆となるように電気相互接続された、AC電流輸送用のACコイル5がある。]
[0128] 耐誘電特性(dielectric withstand properties)を向上させるため、位相間に絶縁バリア7がある。]
[0129] 好ましくは、更にDCコイル2が超伝導体であり、より詳しくは、DCコイル2は、クライオスタットに収容されると共にクライオクーラー(図示せず)によって冷却される高温超伝導体である。]
[0130] 図8は、相互に関する巻線のセンス及び方向を示す、図7の構造における2つのACコイルの電気相互接続を示す。] 図7 図8
[0131] 例えば、図7に示されるタイプのオープンコア飽和FCLはFEAを利用して解析される。DC電流及びAC電流はこれらの巻線上の所与の巻数に関するIdc及びIacの最適値を見出し、オープンコアの磁化特性を理解すべくステップされた。使用されたパラメータは、一般的な15kVクラスサブステーションFCLに関するものであり、以下を含む。
・コア数:6
・コアポストの長さ:0.6m
・Acore、各コアの断面積:0.0225m2、寸法は150mm×150mm
・Nac:50
・Ndc:500
・Idc:0から最大500アンペアまでステップ(DCコイル上に最大250,000回のアンペア巻数)
・Iac:0から1,000アンペアrmsまでステップ(ACコイル上に最大50,000回のACアンペア巻数)] 図7
[0132] 使用された材料パラメータはM6変圧器薄層のものであり、厚さ0.35mmである。]
[0133] 図9は、図7に示される構造のZ方向における長さに沿った磁界及び相対透磁率の分布を示す。ACコイル、高透磁率コアの飽和領域、を配置するのに適したコアの領域が示される。この結果は、例えば、ACコイルは高さが400mmであり、コアの各端部から100mm以上離間されてコアに配置されるように設計されるべきであることを示している。] 図7 図9
[0134] 図10は、3つのコアの中心をX方向に通過する線に沿った磁界のプロットを示す。この結果は、3つのコアが、DCコイル巻線からの距離及び形状が一律でないにも関わらず、全てのコアにおける磁界がコアポストのX−Yアレイ中の6つのコア全てを飽和させるのに十分であることを示している。] 図10
[0135] 図11は、図9に示されたコアの中央部におけるコアのDC磁化(Iac=0)を示す。] 図11 図9
[0136] 図12は、2つの異なるDCバイアス電流値におけるコア中央部分におけるマイナーAC磁化エクスカーション曲線を示す。] 図12
[0137] 図11を考察しただけならば、80,000回のDCアンペア巻数(巻数500回のDCコイル上の16アンペアのDC電流と等価)のDCコイルに通電すれば、コアを飽和させるのに十分であるという結論が導けるかもしれない。しかし、ACコイルのマイナー磁化曲線(図12)及びACコイル通電(図13)下のコアの相対透磁率を考察すれば、ACコイルが低相対透磁率を有すると共に、従ってACコイルに低い挿入インピーダンスを付与するために、少なくとも140,000回のDCコイルアンペア巻数(すなわちDCコイル上の少なくとも280アンペアDC)コアが必要とされることが示されている。] 図11 図12 図13
[0138] 図12は、ACコイル上の最大1,000アンペアのAC電流が160A(80,000アンペア巻数)もの低いDC動作電流を有するコアを不飽和化することを示す。これは望ましいことではなく、このような設計は、高い挿入インピーダンス、高いTHD及び歪曲された電流波形を生じる。比較のため、より望ましい動作点である500Aの動作点におけるマイナーDC磁化ループ計算を併せて示す。これらの条件下において、コアはACコイルの下で超飽和され、より適切な動作点である。] 図12
[0139] 一般的に、最適化変数の完全なリストを考慮する際、DC磁化とマイナーDC磁化の組み合わせた計算は、適切なDC動作アンペア巻を発見するための直接的なアプローチではなく、冗長なFEA最適化プロセスを必要とする。プロセスを単純化するために、発明者は、最大負荷下の電流波形のピークへエネルギーを付与されたACコイルを用いるコアの静的磁化解析を提案する。図14は、このようなFEAの計算を示す。この計算より、この場合、AC電流波形のあらゆる瞬間においてコアが飽和を維持するためには150,000回のアンペア巻数のDC磁化が必要であることがわかる。] 図14
[0140] 低い挿入インピーダンスを有することは故障電流限流器にとって実用上重要である。本実施形態では、このことは、ACコイルによる直接の磁界影響下の鋼製コアの容量が、通常のAC定常状態の動作条件において飽和状態を維持するように、一定レベルBsatまでDCコイルによって完全に飽和させられることを保証することにより達成される。]
[0141] 図7に示される可飽和コアFCL設計は、FCLの4つの主な基準を満たし、以下の利点を有する。
・ヨーク及び外側リムがないため質量が小さい
・所与の故障電流及び定常状態評価用に設置面積が小さい
・構造コストが低い] 図7
[0142] ACコイルとDCコイルの相対的位置を逆転させることによって、更に以下の技術的利点が得られる。
・構造は、特別の誘電体フィードスルー又は真空と誘電体との間のインタフェースを必要とせずに高電圧設計及び超高電圧設計にすぐに適応できる。高透磁率コアの中央部分は、電力変圧器が誘電性流体に完全に浸漬されるのと略同一の方法で液体又は気体誘電体液体に浸漬されてもよい。
・合成シリコンオイル又は他の誘電体を有する高電圧変圧器設計に関する技術態様及び知識体系は、SF6などガスの高電圧誘電体を含むこの基本設計に適用可能である。これにより、これらのデバイスの高電圧バージョンの設計及び開発プロセスに関わる本質的な危険が低減する。
・液体誘電体中への浸漬に使用されると共に高正電圧で使用される標準的なよく知られた固体材料が使用可能である。
・AC位相コイルが、超飽和される鋼製リムの領域を包囲する。
・ACコイルの電磁影響の範囲は、挿入インピーダンスが理論上最小可能値に極めて近い範囲である。例えば、図9及び図13に図示される。これらの図では、FEAは、レーストラックDCコイルからの距離が一律でないにも関わらず、コアの相対透磁率が極めて統一に近いことを示している。] 図13 図9
[0143] 別の実施形態では、オープンコアは全てのコアが飽和を維持した状態で端部に向けてテーパ状に形成される。]
[0144] 図15に示される更なる実施形態では、各位相のコアポストはヨークで接続され、一端はオープンである。] 図15
[0145] 図19は、以下の詳細を有する単相オープンコアを有するFCLを示す。
・コア寸法:100mm×100mm×570mm
・各ACコイルコア上の巻数:20
・DCバイアスコイルの上の巻数:100] 図19
[0146] 図19に示される実験的配置の結果は図20〜図26に示される。より詳しくは、図20は複数のオープンコアFCL端子に亘って50Hzで測定された定常状態の非故障挿入インピーダンスを示す。十分なDCバイアスが印加されると、挿入インピーダンス特性に明確な変化が現れる。図20の部分Aにおいて、最小挿入インピーダンス未満では、高透磁率コアの磁気飽和は、ACコイルの磁気の影響下のコアの完全な容量に到達していない。従って、測定された挿入インピーダンスは高い。] 図19 図20 図21 図22 図23 図24 図25 図26
[0147] 図20の部分Bにおいて、高透磁率コアの磁気飽和はACコイルの影響範囲に到達している。このことは、オープンコア設計の最小挿入インピーダンスを取得するために、DCコイルによって少なくともACコイルの高さと等しい高透磁率コアの領域を飽和させなければならないことを示す。] 図20
[0148] 図21は、多数の異なる電圧及び電流レベルに関するオープンコアFCLの非故障定常状態挿入インピーダンス特性を示し、この数量がAC電圧レベル及び電流レベルに依存しないことを示す。] 図21
[0149] 図22における過渡AC電流プロットは、FCLが測定回路に配置された状態及び配置されていない状態における故障電流の差を示す。このデータは、オープンコアFCL配置について、故障電流を著しく低減させることが可能であることを示している。] 図22
[0150] 図23は故障電流事象中に時間の関数として鋼製コア中で測定された磁束密度を示す。故障電流は、ACコイル下の鋼製コア領域を有効に不飽和化する。この結果、故障中に高インピーダンスを有し、従って効果的であると共に固有の故障電流制限特性を有するFCLが得られる。] 図23
[0151] 図24に示されるデータは、高透磁率コアが十分に飽和させられる場合DCコイルへ誘導された過渡電圧が管理可能であり、故障の間に過度に有害でない状態を維持することを示す。これは旧来の飽和FCLコア設計と類似している。] 図24
[0152] 図25は、測定された過渡故障電流波形を、ACコイル抵抗及びFCL ACコイルインピーダンスの定常状態の非故障誘導成分を考慮した後の計算された予期される故障電流と共に示す。2,000アンペアピークから1,100アンペアピークへ故障電流が更に低減しているのは、ACコイル抵抗及び定常状態の非故障挿入インピーダンスを考慮した後の磁化の更なる変化によるものである。] 図25
[0153] 図26は多数の異なるDCバイアス電流値において故障事象中に測定されたDC電流過渡を示す。バイアスが鋼製コアに十分にかけられていれば、誘導された過渡のDC電流は重要でない。] 図26
[0154] 図27は、コア間のヨークを含むと共に、低挿入インピーダンスに必要なDCバイアスアンペア巻数を減少させるべく設計されたオープンコアFCLの他の実験的配置を示す。設計の詳細を以下に示す。
・高透磁率コア寸法:100mm×100mm×570mm(高さ)
・ヨーク寸法:100mm×100mm×250mm(高さ)
・各ACコイルコア上の巻数:20
・DCバイアスコイル上の巻数:100] 図27
[0155] ヨーク付き構成とヨークなし構成とにより得られた挿入インピーダンス結果間の比較を図28に示す。図28には、ヨークを有する場合と有さない場合のオープンコアFCLの測定された50Hzの非故障定常状態挿入インピーダンス特性が示される。] 図28
[0156] 図29は、DCバイアスコイル内のコア配置のヨーク結合が磁化曲線を左側へシフトさせ、従って最小挿入インピーダンスを取得するためにより少ないアンペア巻数を採用可能であることを示している。] 図29
[0157] 図30は、ヨーク付き構成に関する挿入インピーダンスの全領域を示し、より少ないDC印加アンペア巻数においてこの配置の故障インピーダンスが著しく改善することを示す。] 図30
[0158] 図31におけるヨーク付きオープンコアFCLの実験的配置に関する故障電流プロットは、ヨーク付きFCLの存在によりFCLのないシステムと比較して各種DCバイアスモードに関して生ずる差異を示す。] 図31
[0159] 更に、ACコイル頂部にて測定された高透磁率コア材料中の磁束密度が図32において測定され、ヨークなしオープンコア実験的配置における挙動と同一の特性挙動を示した。] 図32
[0160] 図33は異なるバイアスレベルのある範囲におけるDC回路過渡電流波形を示す。ヨークなしオープンコアFCL配置に関しては、十分にバイアスされたコアにとって誘導された過渡DC電流は重要でない。] 図33
[0161] 実施形態において示されるDCコイル及びACコイル配置の主要な便益は、ACコイルがDCコイル下の鋼製コアの完全なDC磁束密度を経験する点にある。旧来の飽和FCL設計では、上下ヨークを介して、及びコア内のマイタージョイントの周囲でDCリムからACリムへ磁束を輸送するという欠点があった。本実施形態はヨーク及びAC側リムを省き、DCコイルからACコイルへの磁束の輸送を略100%効率化する。]
[0162] 図示された実施形態では、負荷電流を供給する変圧器などの電源に電気接続するために、各故障電流限流器が少なくとも1つの入力端子を高電圧ブッシングの形態で含むことが認識されよう。更に、各実施形態は、負荷電流を引き出す配電システムなどの負荷回路に電気接続するために、1つ以上の高電圧ブッシングの形態で少なくとも1つの出力端子を含む。更に、1つ又は複数の入力端子と1つ又は複数の出力端子との間で負荷電流を輸送するための、コアの長尺部に巻回される、磁気飽和可能なコア及び少なくとも1つのACコイル(一般的に負荷電流の各位相につき1つのコイル)が含まれる。DCコイルは、少なくともコアの一部分において磁界を誘導し、コアとACコイルとを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出する。図示された実施形態では、中間区域は個々のタンクによって定義される。DCコイルによって誘導された磁界は、ACコイルが負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するようにコアを磁気的にバイアスする。]
[0163] 多くの用途において、特にFCLが既存の設備に組み込まれる場合には、FCLを収容するために利用可能な物理的空間は制限されていることが多いことが理解されよう。より一般的には、最も深刻な物理的制約はFCLが利用可能な設置面積である。ここで図35及び図36を参照すると、設置面積の小さい用途向けに開発された単相オープンコアFCLが図示されている。FCLは、負荷電流を提供する電源(図示せず)に電気接続するための入力端子を高電圧ブッシングの形態で含む。更なる高電圧ブッシングの形態をとる出力端子は、負荷電流を引き出す負荷回路(図示せず)に電気接続する。磁気飽和可能なコアは、長手方向に延出する2つの同様の高透磁率積層鋼製ポストの形態をとり、相互の端部を合わせて積層されている。ACコイルは、入力端子と出力端子の間の負荷電流の輸送のためにポストのそれぞれの長尺部に逆方向に巻回される2つのコイルセグメントを有する。2つの離間されたサブコイルの形態をとるDCコイルは、少なくともポストの一部分において磁界を生じると共に、コア及びACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出する。この実施形態では、区域はタンクによって定義される。磁界はACコイルが負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するようにポストを磁気的にバイアスする。] 図35 図36
[0164] 更に設置面積の小さい実施形態が図37及び図38に示される。この実施形態では、プレスパワーコア(pressed power core)が使用されている。これにより、薄層を用いた場合に達成可能な充填率と比べて、ACコイル断面における高透磁率材料の充填率が高くなる。従って、同一の設置面積について、他の全てが同一であると仮定すると、図35及び図36のFCLと比べて、この実施形態のFCLの性能は高い。] 図35 図36 図37 図38
[0165] 更なる実施形態では、図37及び図38のFCLは図35及び図36のFCLと同一の性能を提供すべく開発される。この更なる実施形態は充填率が高いため、図37及び図38のFCLと比べて設置面積が小さい。] 図35 図36 図37 図38
[0166] FCLの別の実施形態が図39及び図40に示されている。この実施形態は、集合的にコアを定義する、相互に平行且つ長手方向に同一空間に広がる3対のポスト(各位相につき1対のポスト)を有する三相オープンコアFCLである。ポストは非対称の一定且つ一様な横断面を有する。対のポストはヨークを含み、ポスト、関連付けられたACコイル及びヨークは全て、冷媒としての作用も有する誘電体媒体が収容されたタンク内に配置される。] 図39 図40
[0167] 図41及び図42は、図39及び図40のFCLに類似する更に別の実施形態を示している。両者の主な差異は、FCLが占有する容量を更に低減すべくヨークを省いた点にある。] 図39 図40 図41 図42
[0168] 図39〜図42に示される故障電流限流器は、概ねシリンダを定義すべく相互に対して配置された非対称のポストを有する同様のポストを有していることが認識されよう。ポストのこの形状と相対的配置又は相互の向きは、FCLの設置面積の更なる縮小に寄与するものである。] 図39 図40 図41 図42
[0169] 他の実施形態では、FCLの設置面積を最適化し、あるいは所与の場所について任意の収容仕様に対処すべく異なるアプローチがなされる。例えば、3×2のアレイとして積層配列された矩形断面ポストを有するコアを含むFCLを図示した図43を参照する。同一位相のACコイル用の2つのコイルセグメントが上下に配置される。オープンコアFCLのこの構成は、例えば、現場の設置面積が制限され、高さにおいては余裕がある場所で使用される。] 図43
[0170] FCLが3×2のアレイとして並列配置された矩形断面ポストを有するコアを含む、更なる実施形態が図44に図示される。オープンコアFCLのこの構成は、例えば高さ要件が制限され、設置面積においては余裕がある場合に使用される。] 図44
[0171] 積層された3×2のアレイとして積層配置されヨーク結合された矩形断面ポストを有するコアを含むFCLの更なる例が図45に示される。] 図45
[0172] 上記記載された実施形態は、既知の額縁状の「クローズドコア」式可飽和コア故障電流限流器と比較して、以下の利点を有する。
・必要とされる鋼の質量の著しい減少、及びこれに伴う製造、輸送及び現場のコストの低減。
・同様の性能を得るにあたって、設置面積が縮小される点。このことは、密集した都市部において設置問題を緩和する上で特に有利である。
・1つ又は複数のDCバイアスコイルに超伝導体を使用する場合における、クライオスタット表面積の縮小。これにより、定常状態の外気熱損失が低減し、従ってクライオクーラー電力要件が低下する。
・AC位相コイル及び鋼製コアからのDCバイアスコイル及びクライオスタットの機械的な分離。これにより、オイルタンクをDCコイルのウォームボアエリアという低い位置に設置することが可能となり、あるいは位相コイル及びコアを収容しているオイルタンクよりも低い位置にDCコイルを設置することもできる。]
[0173] 抵抗型、外部リアクタ又は内部リアクタを有する抵抗型、シールドコア、固体型などの他の故障電流限流器配置と比較して、可飽和オープンコア故障電流限流器は以下の利点を有する。
・超伝導部分のいずれかの態様が故障した場合、それがDCコイル、真空システム又は極低温システムのいずれの部分であっても、故障電流限流器は被保護線を損傷せず、被保護線から分離される必要がない。従って、実施形態のオープンコア故障電流限流器は本質的にフェイルセーフであり、これらの条件下で被保護線内に配置可能である。更に、内部故障の際に使用停止に切り替えねばならない設計と比較して、内部故障の警告及び検出に関連した冗長性が大幅に緩和される。
・DCバイアスコイル(超伝導コイル又はその他のコイル)はいずれも配電網又は電力供給用の被保護高電圧線又は高電流線に直接接続されない。従って、単純且つ確立された、よく知られている誘電体設計手順を高電圧部分の設計に採用できる。
・液体冷凍剤はAC誘電体として使用されず、従って、これらの液体に関連した問題は、好ましい実施形態の設計には存在しない。
・超伝導素子は故障電流によりストレスを加えられない。従って、故障の間におけるDCコイルへの電流及び電圧の誘導は殆どない。
・超伝導体は故障の間に急冷しないことから、オートリクローザ又はリクロージングロジックが被保護線のブレーカ及びアイソレータについて使用される場合、超伝導体を直列で使用できる。]
[0174] 本明細書を通じて「一実施形態(one embodiment)」又は「ある実施形態(an embodiment)」を参照したが、この参照は当該実施形態に関して記載された特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて随所に「一実施形態において」又は「ある実施形態において」というフレーズが出現するが、これらは必ずしも同一の実施形態を指しているとは限らず、同一の実施形態を指している場合もある。更に、本開示から当業者に明白であるように、特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。]
[0175] 同様に、本発明の例示的実施形態の上記説明では、開示を簡素化し、発明の1つ以上の各種態様について理解を助ける目的で、発明の各種特徴がしばしば1つの実施形態、図面あるいはそれらの記載にまとめられていることを認識されたい。しかし、この開示の方法は、特許請求された発明が各請求項に明示された特徴よりも多くの特徴を必要としているという意図を反映しているものと解釈すべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映しているように、発明の態様は上記開示された1つの実施形態の全特徴よりも少ない。従って、以下の特許請求の範囲は本発明の説明に明示的に組み込まれ、各請求項は本発明の個々の実施形態として独立している。]
[0176] 本発明の更なる実施形態は2009年3月16日に出願されたオーストラリア特許出願第2009901138号に開示され、本願は当該特許出願に対し優先権を主張する。それらの実施形態の詳細は、相互参照によって明示的に本願明細書中に援用される。]
[0177] 更に、当業者によって理解されるであろうが、本願明細書中に記載された諸実施形態は、他の実施形態に含まれる特徴の一部を含むが、別の実施形態(優先権が主張された特許明細書中に開示された実施形態をも含む)の特徴の組合せは本発明の範囲内にあり、異なる実施形態を形成することが意図されている。例えば、以下の特許請求の範囲では、特許請求された実施形態はいずれも任意の組合せにおいて使用できる。]
[0178] 本願明細書中に提供される説明において、多くの特定の詳細が記載されている。しかし、本発明の諸実施形態はこれらの特定の詳細がなくても実施可能であることが理解されよう。他の例において、この説明についての理解が不明瞭となる事態を避けるため、よく知られた方法、構造及び技術については詳述されていない。]
[0179] 当業者は、これらが製造された特定の設計に適用された例であり、他の構造詳細を有する他の設計については結果が異なることを認識するであろう。結果の主な結論及びパターンが考慮されるべきである。]
[0180] 本発明は特定の例に関して記載されたが、多くの他の形態で実施可能であることは当業者によって理解されよう。]
权利要求:

請求項1
電気回路に組み込まれる故障電流限流器であって、前記故障電流限流器は磁気飽和可能なコアと、前記可飽和コアの一部に巻回された少なくとも1つのAC位相コイルと、を含み、前記磁気飽和可能なコア及び前記少なくとも1つのAC位相コイルは筐体内に収容され、DCバイアスコイルが前記筐体の外側に前記筐体を囲繞して配置され、前記DCバイアスコイルは、前記電流限流器の非故障動作状態においては、低挿入インピーダンスのために前記コアをバイアスして磁気飽和とし、故障状態においては、前記コアを磁気飽和から取り出し、それにより前記電気回路に増大した電流限流インピーダンスを提供する、故障電流限流器。
請求項2
DCバイアスコイルを1つのみ含む請求項1に記載の故障電流限流器。
請求項3
DCバイアスコイルを2つ以上含む請求項1に記載の故障電流限流器。
請求項4
前記DCバイアスコイルが離間されている請求項3に記載の故障電流限流器。
請求項5
前記DCバイアスコイルが高温超伝導体である請求項1〜4の1項以上に記載の故障電流限流器。
請求項6
前記DCバイアスコイルが前記少なくとも1つのAC位相コイルと一致し且つ同軸であり、従って前記可飽和コアの前記一部は完全に飽和する請求項5に記載の故障電流限流器。
請求項7
前記磁気飽和可能なコアがコアポストのアレイの形態をとり、AC位相コイルが前記コアポストの各々に巻回されると共に前記ACコイルによって発生される前記磁界のセンスが逆になるように相互に電気接続される請求項6に記載の故障電流限流器。
請求項8
前記コアポストが矩形断面を有する請求項7に記載の故障電流限流器。
請求項9
前記コアポストが一端でヨーク結合され、他端がオープンである請求項7又は8に記載の故障電流限流器。
請求項10
前記コアポストが長さに沿って一定断面を有する請求項7〜9のいずれか1項に記載の故障電流限流器。
請求項11
前記コアポストがその端部に向かってテーパ状に形成され、これにより前記限流器の非故障動作時において略全てのコアが飽和する請求項7〜10のいずれか1項に記載の故障電流限流器。
請求項12
前記限流器がオープンコア構成を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の故障電流限流器。
請求項13
少なくとも前記ACコイルの高さと等しい前記コアの領域が、非故障動作状態時に最小挿入インピーダンスを取得すべくDCコイルによって略完全に飽和する請求項12に記載の故障電流限流器。
請求項14
前記磁気飽和可能なコアは、変圧器鋼製積層材料、軟鋼又は他の磁性鋼、フェライト材料、絶縁された高透磁率圧縮粉末又は強磁性体のうちいずれか1種から構成される請求項1〜13のいずれか1項に記載の故障電流限流器。
請求項15
前記磁気飽和可能なコア及び前記AC位相コイルが誘電体に浸漬される請求項1〜14のいずれか1項に記載の故障電流限流器。
請求項16
前記誘電体が液体又は気体の形態をとる請求項15に記載の故障電流限流器。
請求項17
前記DCバイアスコイルがレーストラックDCコイルの形態をとる請求項1又は2に記載の故障電流限流器。
請求項18
前記筐体が前記誘電体に加えて冷却手段を含む請求項1〜17のいずれか1項に記載の故障電流限流器。
請求項19
負荷電流を提供する電源に電気接続するための入力端子と、負荷電流を引き出す負荷回路に電気接続するための出力端子と、磁気飽和可能なコアと、前記入力端子と前記出力端子の間で負荷電流を輸送するために前記コアの長尺部に巻回されたACコイルと、少なくとも前記コアの一部において磁界を発生させ、前記コアと前記ACコイルを受け取る長手方向の中間区域に沿って延出するDCコイルと、を含み、前記磁界は、前記ACコイルが前記負荷電流の1つ以上の特性に応じて低インピーダンス状態から高インピーダンス状態へ移行するように前記コアを磁気的にバイアスする、故障電流限流器。
請求項20
DCコイルを2つ以上含む請求項19に記載の故障電流限流器。
請求項21
前記DCコイルが離間されている請求項20に記載の故障電流限流器。
請求項22
前記低インピーダンス状態において、前記一部は磁気飽和している請求項19に記載の故障電流限流器。
請求項23
前記低インピーダンス状態において、前記コアは長手方向に沿って前記一部を越えて磁気飽和される請求項22に記載の故障電流限流器。
請求項24
前記高インピーダンス状態において、前記一部は磁気飽和していない請求項19〜23のいずれか1項に記載の故障電流限流器。
請求項25
前記低インピーダンス状態において、前記ACコイルの前記インピーダンスは前記ACコイルの理論空気コアインピーダンスと略等しい請求項19〜24のいずれか1項に記載の故障電流限流器。
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